クラフトビールの商品ページを見ていると、5%、6%、8%、9%と、さまざまな数字が出てきます。
「数字が高いほど苦い?」「5%なら飲みやすい?」「いつものビールと同じ感覚で選んでよい?」と迷う方もいるかもしれません。
アルコール度数は、甘さや苦さの点数ではありません。お酒に含まれるアルコールの割合を示す数字です。味わいを決める材料の一つではありますが、度数だけで香りや苦みを判断することはできません。
この記事では、アルコール度数の意味、缶の表示の見方、5%から9%までのひみつビールを例にした選び方を順番に紹介します。
苦みや香り、スタイルも含めた全体的な選び方は、クラフトビール初心者は何から選ぶ?で紹介しています。この記事では、アルコール度数だけを詳しく見ていきます。
アルコール度数は「含まれるアルコールの割合」
キリンのビール用語事典では、アルコール度数を、お酒に含まれるアルコールの割合と説明しています。5度または5%と表示されたビールは、100ml中に5mlのアルコール分があるという意味です。
つまり、5%と9%の違いは、同じ量の中に含まれるアルコールの割合の違いです。「苦みが5段階中いくつ」といった味の評価ではありません。
飲んだ量だけでなく、その中に含まれるアルコールの量を比べたいときは「純アルコール量」を使います。厚生労働省の飲酒ガイドラインでは、次の式で計算します。
純アルコール量(g)=飲んだ量(ml)×アルコール度数÷100×0.8
350ml缶を例にすると、5%は約14g、9%は約25gです。同じ350mlでも、含まれる純アルコール量には約11gの差があります。
厚生労働省のガイドラインでは、5%のビール500mlを純アルコール20gの例として示しています。500mlを1本と350mlを1本では、同じ「1本」でも飲む量が違います。さらに度数が変われば、含まれる純アルコール量も変わります。商品を選ぶときは、本数だけで考えず、缶の容量と度数を一緒に確認することが大切です。
そのため、缶の大きさが同じでも、同じペースで飲むとは限りません。度数の高い一本は、数字を確認したうえで少しずつ楽しむ、複数人で分けるなど、その時の体調に合わせて量とペースを決めます。
同じ度数でも、使う麦芽、ホップ、副原料、ビールのスタイルによって、香りや甘み、苦みは変わります。反対に、味わいが軽やかに感じられても、度数が低いとは限りません。
度数は、その日の一本を絞るための手がかりの一つとして使います。
度数は缶の「アルコール分」で確認する
国税庁は、アルコール分を容器や包装の見やすい箇所へ表示することを定めています。商品が届いたら、缶にある「アルコール分」または「ALC.」の表示を確認してください。
商品名やスタイル名だけでは、度数は分かりません。「エール」「IPA」「黒ビール」と書かれていても、同じスタイルのすべてが同じ度数になるわけではないからです。
きたくらふとの商品ページにも度数を掲載していますが、手元に届いた商品の確認には缶表示を使います。商品ページと缶の表示が異なる場合や、表示が読みにくい場合は、推測せず販売店へ確認してください。
なお、缶にある「ビール」「発泡酒」は品目の表示で、アルコール度数とは別の情報です。品目だけを見ても、度数は判断できません。
5〜6%は、度数と味わいを別々に読む
きたくらふとで扱うひみつビールでは、5〜6%の銘柄が複数あります。
こぐまエールは5%。一口目はさっぱりとしていて、後からビスケットのような香ばしさと、ほのかな甘みが広がります。商品ページのアルコール感は★1(3段階)です。
ここで大事なのは、「5%だから甘い」「5%だから苦くない」と決めないことです。こぐまエールの香ばしさや甘みは、度数の数字ではなく、麦芽や造り方を含めた商品の個性です。
どろんは6%のラオホです。ラオホとは、燻製した麦芽を使うドイツ発祥のスタイル。ほのかな燻製の香り、麦芽の旨み、ほどよい苦みがあり、アルコール感は★2(3段階)です。
5%のこぐまエールとの差は1ポイントですが、味わいの違いを「1%分だけ濃い」と表すことはできません。こぐまエールはビスケットのような香ばしさ、どろんは燻製した麦芽の香ばしさが軸になっています。
度数の数字を確認した後に、スタイルと香りの説明を読む。6%のどろんは、その二段階の見方が分かりやすい例です。
同じ8%でも、味は同じにならない
シトラス怪獣シーマくんは8%のIPAです。ブルワリーの敷地内で育てた八朔を皮も果汁も使い、果実の甘みの後に、八朔の皮のほろ苦さが続きます。アルコール感は★2(3段階)です。
同じ8%には、黒ビールのプラリネもあります。プラリネはナッツやバニラの風味と甘さが軸で、シーマくんとは色も香りも選ぶ場面も異なります。
この2本を比べると、8%という数字だけでは味を説明できないことが分かります。度数が同じでも、IPAと黒ビール、八朔とナッツでは、商品ページで確認したい言葉が変わります。
度数で候補を絞ったら、次に「香り」「甘み」「苦み」「アルコール感」の評価と説明を読みます。きたくらふとでは、この4項目を3段階で掲載しています。
9%は、飲むペースも含めて選ぶ
ECLIPSEは9%。きたくらふとのひみつビールの中では、現在もっとも度数の高い一本です。
通常のビールのおよそ2.5倍の黒色麦芽を使い、しっかりした苦みと焙煎した麦芽の風味があります。アルコール感は★3(3段階)。黒糖を隠し味として使い、苦みの後にほのかな甘みが残ります。
9%を「強いから得」「早く酔える」といった理由で選ぶものではありません。商品ページの味わいを確認し、この一杯を少しずつ楽しみたい日に選ぶ一本です。
厚生労働省の飲酒ガイドラインは、アルコールの影響には個人差があり、その時の体調によっても変わるとしています。度数の高い商品に限らず、体調に合わせ、無理に飲まないことが前提です。
度数を見た後に、香り・苦み・温度を確かめる
クラフトビールを度数で選ぶときは、次の順番にすると整理しやすくなります。
- 缶や商品ページでアルコール度数を確認する
- スタイルと原材料を見る
- 香り・甘み・苦み・アルコール感の説明を読む
- その時の体調と、飲みたいペースに合うか考える
度数は、候補を絞る入口です。最後に決めるのは、香りや苦み、原材料、合わせたい料理など、そのビールを選びたい理由です。
また、同じ一本でも温度が上がると香りや甘みの感じ方が変わることがあります。保存方法と飲む温度は、クラフトビールの保存方法と飲む温度で詳しく紹介しています。
まとめ
アルコール度数は、お酒に含まれるアルコールの割合です。甘さや苦さの強さを示す数字ではありません。
きたくらふとのラインナップには、5%のこぐまエール、6%のどろん、8%のシトラス怪獣シーマくん、9%のECLIPSEがあります。度数で候補を絞った後、スタイル、原材料、香り、甘み、苦み、アルコール感を確認してください。
5%だから必ず軽い、9%だから必ず濃いとは限りません。数字と味の説明を分けて読むことが、自分に合う一本を選ぶ近道です。
※各銘柄の入荷数が少ないため、売り切れの際はご容赦ください。再入荷できない銘柄もあります。
※20歳未満の方への酒類販売はいたしません。
