セゾンとは?農家生まれのビールの特徴と、ファームハウスエールとの関係

セゾンとは、農家生まれのビール。マブダチSAISONとKAWAUSOエンヤー

ひみつビールの商品ページには、「セゾン」や「ファームハウスエール」という言葉が出てきます。

この記事では、セゾンがどこで生まれ、どんな特徴を持つビールなのかを資料をもとに整理します。ファームハウスエールという呼び名との関係にも触れたうえで、きたくらふとでセゾンとして紹介しているひみつビールの2銘柄を紹介します。

目次

セゾンは、ベルギーの農家で造られていたビール

セゾンは、ベルギー南部のワロン地方で造られてきたビールです。日本ビアジャーナリスト協会のコラムは、農家が冬の間に仕込み、夏に飲まれるまで貯蔵しておく自家用のビールだったと説明しています。名前は、フランス語で季節を意味する言葉です。

ビール審査員を認定する団体BJCPのスタイルガイドライン(2021年版)にも、ワロン地方の保存用のビールとして生まれ、畑で働く人の作業に差し支えないよう、もとは度数を低めにしていたと書かれています。

夏まで持たせるために、ホップを多めに使うなどの工夫があったことも、同じコラムにあります。喉を潤すための、日常のビールが出発点でした。

「ファームハウスエール」という呼び名との関係

セゾンは、「ファームハウスエール」と呼ばれることもあります。農家(ファームハウス)で造られていたビール、という意味の呼び名です。ただし、この呼び名はセゾンだけに使われるわけではありません。

BJCPのガイドラインは、セゾンはアメリカではしばしばファームハウスエールと呼ばれるが、ヨーロッパではこの呼び方は一般的ではなく、職人的なエールの大きなくくりの一部として扱われている、と注記しています。

今回紹介する2銘柄の缶には「Farmhouse Ale」と書かれ、当店の商品ページではセゾンとして案内しています。ひみつビールは、ファームハウスエールを主軸に造っているブルワリーです。この記事では、当店でセゾンとして紹介している銘柄を取り上げます。

典型的な特徴は、甘さの残りにくい後味と、強い炭酸

BJCPのガイドラインは、標準的なセゾンの典型像を次のようにまとめています。さっぱりとしていて、発酵がよく進んでいるため甘さが残りにくい。ホップが効いていて、中程度から強めの苦みがある。後味は非常にドライで、炭酸は強い。

ここでいう「ドライ」や「辛口」は、唐辛子のような辛さのことではありません。飲み終わりに甘さが残りにくい、という意味です。

もうひとつの特徴が、酵母の香りです。ガイドラインは、スパイスや果実を思わせる香りを出すベルギーのセゾン酵母を挙げ、酵母の選び方が果実のような香りとスパイスのような香りのバランスを決め、ビールの性格を大きく変えると書いています。果物を使っていないのに果物のような香りがする仕組みは、原材料にない果物らしさはどこから?に書いています。

原料は淡い色の麦芽が基本で、小麦やオーツ麦などの穀物を使う例もあります。スパイスやハーブは、使ってもよいが主張しすぎないこと、酵母の香りと調和していること、という条件付きです。あくまで典型像と目安であり、審査の区分と、売り場での名前は同じ話ではありません。

度数と色には、幅がある

同じガイドラインは、セゾンの度数を3.5%から9.5%までの3つの区分に分けています。色は淡い金色が基本ですが、濃い色の例も含まれています。度数と色のあいだに決まった関係はない、とも書かれています。

ひみつビールで、セゾンとして紹介している2本

ここからは、ひみつビールの銘柄の話です。それぞれの香りや苦みは、ガイドラインの典型像ではなく、その銘柄の商品情報と当店の試飲で書きます。

マブダチSAISONは、燻製した唐辛子のチポトレと、ライムを使ったセゾンです。アルコール5%で、当店の3段階評価は香り★★★、苦み★★★。試飲では、ライムの爽やかな香りのあと、ピリッとした刺激と苦みがあり、飲み終えたあとも唐辛子の風味が残りました。

KAWAUSOエンヤーは、桃とタイムを使ったセゾンです。アルコール5.5%で、香り★☆☆、苦み★☆☆。試飲では、桃がふんわりと香り、甘さは穏やかでした。ブルワーさんは、苦みをほんの少しだけにして、その微かな苦みで最後の甘みを切り、軽快な飲み口にしていると話しています。品目は発泡酒ですが、スタイルはセゾンです。品目とスタイルの違いは、ビールと発泡酒の違いは?に書いています。

当店でセゾンとして紹介している2本ですが、試飲したときの香りと苦みの印象は異なりました。マブダチSAISONは香り・苦みとも★3、KAWAUSOエンヤーはどちらも★1です。

副原料を使わない銘柄もあります。ひみつビールは2026年8月のカワウソSAISONについて、公式Instagramで「ビールというからには麦もホップも酵母のエステルも色んな要素の味わいが感じられる賑やかな味わいが僕たちの造るビールには欲しい」と書いています。

2本を少量ずつ比べるなら

当店の思い切った5本セットには、マブダチSAISONとKAWAUSOエンヤーの2本が入っています。少量ずつ比べるなら、香りと苦みの★が少ないKAWAUSOエンヤーを先に試す順番を提案します。順番の考え方は、クラフトビールを飲み比べる順番は?に書いています。

まとめ

セゾンは、ベルギーの農家で、夏の農作業の合間に飲むために造られてきたビールです。名前は季節を意味します。「ファームハウスエール」と呼ばれることもありますが、その呼び名はセゾンだけのものではありません。

典型的な特徴は、甘さの残りにくい後味と強い炭酸、そして酵母がつくる果実やスパイスを思わせる香りです。度数と色には幅があります。

今回は、ライムと唐辛子の刺激があるマブダチSAISONと、桃が穏やかに香るKAWAUSOエンヤーを紹介しました。同じセゾンとして紹介している2本でも、当店の試飲では香りと苦みの印象が違いました。

※各銘柄の入荷数が少ないため、売り切れの際はご容赦ください。再入荷できない銘柄もあります。

※20歳未満の方への酒類販売はいたしません。

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